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ソナチネアルバム

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2018年 04月 20日

ビュールレ コレクション展

ビュールレ コレクション展_e0021129_15494358.jpg
国立新美術館でビュールレ コレクション展が開かれています。
行ってみたいなぁ、混んでいるかなぁ・・・などと考えながら思い切って出かけてきました。
右側の「イレーヌ カーン ダンヴェール嬢 可愛いイレーヌ」の肖像画に興味がありました。

普通に可愛いお嬢様、と見ていましたが、壮絶なドラマがあることを知りました。
NHKの日曜美術館で解説されていたのです。

1880年に完成された絵ですが、イレーヌ嬢のお父様がユダヤ系の銀行家で、そのために数奇な運命をたどっています。
イレーヌはユダヤ人虐殺により、娘・孫・妹を失っています。

イレーヌ自身は2度目の結婚の際にカトリックに改宗し、名前もイタリア風に変えていたため、生きていられたとのことです。
第二次大戦の時にナチスが美術品を数多く略奪していましたが、この絵も入っていました。
大戦が終わってから、イレーヌが所有権を主張して1946年に手元に戻ってきたそうです。
時にイレーヌは74歳でした。60数年前の地震の肖像画を見て、何を思ったことでしょう。
亡くなった子供たちのことに思いを馳せていたでしょうか。

その後、この絵はビュールレコレクションに加わっています。

この絵が描かれたころは、無邪気で幸せな少女だったと思います。
その後の運命などは、知る由もなかったはずですが、愁いを含んでいるような眼差しを見ていると、何かを感じます。
抜けるように白い肌で、ふくよかな巻き毛、いい時期だったと思います。
イレーヌの生涯を思いながらこの絵を見ていると、涙が出そうな気分になってきます。


左側のセザンヌ 「赤いチョキの少年」は教科書に載っていたのをよく覚えています。
スイスまで絵を見に行くことは出きませんが、東京の展覧会には行くことができます。
久しぶりに印象派の絵に出会えて、豊かな気持ちになれました。



ビュールレ コレクション展_e0021129_16193259.jpg
撮影が許可されていたモネの「睡蓮の池 緑の反映」  ちょっと右側からで写真が斜めです。
初めてスイス国外に貸し出された、モネ晩年の睡蓮です。
何だか見慣れているモネの睡蓮とはちょっと違うように思いました。

ゴッホ、ドガ、シスレー・・・・・と沢山の絵に出会うことができました。
5月7日まで開催されていますが、連休になると混むだろうと思って出かけた春の一日でした。



ビュールレ コレクション展_e0021129_16174168.jpg
曲線が特徴的な美術館です。


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美術館の周りで、久留米躑躅が満開です。 
桜はあっという間に終わって、いろんなところで躑躅が鮮やかに咲いています。


ビュールレ コレクション展_e0021129_16275204.jpg
美術館へ行く途中の道で、八重桜。 こちらは満開でした。


4月11日 新国立美術館にて









by sonatine-album | 2018-04-20 16:32 | 美術展 | Comments(4)
Commented by ruolin0401 at 2018-04-20 22:41
富士への散歩道です
当方ブログにコメント戴きありがとうございます。
拙い富士山写真ですが宜しく。
国立新美術館は東京の地元ですが行った事はありません。
今の展示会は4月13日に入場者数が20万人を超えたとのことです。ゴールデンウイークもありますので混みあうでしょうね。

Commented by desire_san at 2018-04-20 23:15
こんにちは。
私も至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を見ましたので、大変興味を持ってブログを読ませていただきました。ルノアールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」を日本で観るのは、長年の夢でしたので、感無量でした。ルノワールが女性を美しく描くことにかけては、抜群の技量を持っていることを、時代も画風も変わってきて異なった表現の3つの作品で心ゆくまで味わうことができました。クロード・モネの『睡蓮の池、緑の反映』は、ブログに詳しく書きましたが、精神的安らぎを感ずる巨大な空間を肌で感じ、約1世紀後、抽象表現主義の絵画のような何時間もその空間に浸っていたいような精神的世界を体験できました。

私は、今回の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」で展示されていた64点の作品の全貌を追いながら、作品の背景と本質的魅力について考察してみました。 ざっとでも読んでいただいて今後のお役に立てて頂けると嬉しいです。ご感想・ご意見などありましたら、ブログにコメント頂けると感謝いたします。

Commented by sonatine-album at 2018-04-22 00:31
☆ruolin0401さん>こんばんは、そして初めまして。
川口湖の春はまだ行ったことがありません。ruolin0401さんのお写真を拝見していると、富士山と湖の白と青に桜のピンク色が綺麗に映えていますね。
実際に見たら、もっと素敵でしょう。
また拝見させてください。
鎌倉からだと六本木辺りは都会過ぎて、物怖じしてしまいます(笑)
Commented by sonatine-album at 2018-04-22 00:43
☆desire_sanさん>こんばんは、詳しいブログを拝見させていただきました。
丁寧に解説されていて、また実際に美術館へ行っているような気持ちになれました。
海外の美術館へは行けませんが、東京で絵に出会えるのは幸せです。
ブリヂストン美術館のルノワール、「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」も好きですが、いつになったら再会できるのでしょうか。
ブリヂストン美術館はしばらく閉館していますね。


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